天国への調べ/ajisai
 
てしまい
死神は月色の瞳からぽろぽろと涙を零した
「僕はあなたを迎えにきたんです
 でもあなたを連れて行くのがすごく辛い」
俯き加減になって涙声で
死神はやっとの思いでそう言葉を搾り出した
男はにっこりと眩しい笑みで答えた
「歌を褒めてくれてありがとう。
 死ぬことは怖いけど誰にでも訪れることで
 僕にとっては今がそうなんだろう
 僕は今まで生きてきたことを幸せだと
 思っているし、思い残すこともないよ
 でも一つだけお願いがあるんだ
 よかったら聞いてもらえないだろうか」
死神は涙を拭って頷いた。
「僕は天国に行くのか
 地獄に行くのか分からないけれど
 この竪
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