月に負け犬/粕身鳥
の悪い物体」だと見ているんだ。
そんな妄想が絶えず脳裏をよぎる。
ああ、私は気持ちの悪い物体だ。
このCD買おうかな。でも気持ちの悪い物体は聴いちゃ駄目だよね。
こんなもの気持ちの悪い物体は飲んじゃいけないんだ。
店員さんに聞こう。あ、気持ちの悪い物体に話しかけられたらかわいそうだね。
聞かないでおこう、諦めよう・・・。
私に認められる価値なんて無い。認められたい。認められない。
なんで、なんで、『僕を認めてよ』!
毎日、それの繰り返しだった。精神は限界だった。
一時期食べる事も出来なくなった。それでも減らない体重に苛立った。
美容に気を配った。変わらない顔を
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