骨まで見たいと骨しか見たくないのあいだ/カンチェルスキス
 
てて、ちょうどカウボーイの得意技みたいだ。おれは捕まった。すげえ刺激的な感触。
「おたくの骨、見えましたよ」
 婆あが言った。
「あなたの骨は見えませんね」とおれ。
「はい」
「犬のえさはもうあげましたか?」
「はい、皆様のお力添えで何とか」
「何杯?」
「ノベライズキノコ二杯分」
「お米っていいですよね」
「はい、当分ライスが続くと思います」
「次の現場行ってもよろしいですか?」
「けっこうです。お手数かけました」
 婆あがおれの首を締めつけてる輪っかを外してくれた。婆あの骨は見えなかった。おれの骨は見えていた。なぜこんなにも婆あはサロンパスの匂いを解き放つんだろう。
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