落陽/結城 森士
た」
今まで自分から一度も弱音を吐いたことが無く、冗談も言えないくらい優しかった安住さんが一言ずつ呟くかのように、一行ずつ送信してきた。それが僕には呪いの言葉に聞こえた。メールは時間を空けながら昼から夜まで続いた。僕は彼女に対して負担を掛け過ぎていたことにその時初めて気付いた。取り返しのつかないことをしてしまったのだと、押しつぶされそうな責任感にその夜は眠ることが出来ずに布団の中で朝まで「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら一人で繰り返していた。冷房の効き過ぎのためか、異様に冷たい朝だった。安住さんはその日の昼に病院で検査を受け、入院したらしい。
―――案外元気で、いつもの様に優
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