落陽/結城 森士
んなで行きたかったのだけど、今の険悪な班の雰囲気を考えると何より僕自身がみんなを誘いたくなかった。先生からも評価されていた僕等の信頼関係は、意外にもアッサリ散った。バラバラになった心のままに、誰も自分から安住さんの見舞いに行くことは無いと確信していた。だが僕自身、他の班員を誘って行こうとはどうしても思えなかった。会いたくない人まで呼ばなければならないからだ。
そんな状態になってしまった原因の一つは、僕にもあった。班長の役割として揉め事の中立を取ってきたのだが、どうやら双方の誤解をかってしまい、それを期に班の雰囲気は加速的に悪化していった。僕は一人では抱えきれない問題だと感じ、中立を降りた。
班
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