花子とおじいさん/チアーヌ
大きく、ものすごく立派な豚に成長していました。
「花子・・・・」
おじいさんは目に涙を浮かべ、丸々と太った花子の健やかな寝姿を見つめていました。
おじいさんは土曜日、やっぱり花子を連れて市場へは行けませんでした。
お嫁さんが激怒したことは言うまでもありません。
大人しい息子は黙ってトラクターの点検へ行き、孫の次郎は無言で茶の間に座りTVゲームをし続けていました。(ちなみに太郎は東京の3流大学へ進学し、田舎出身を隠して渋谷でうんこ座りしながら道行く女を物色している・・・らしい。出身地を聞かれると、とりあえず「埼玉」と答えてごまかすらしい)
おじいさんは孤独でした。おじいさんには花子し
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