<童話> まだらひれ と オリオン/クリ
が何日も出ないので
からだを暖めることができないのです
小さな魚がチュピッと動いても
ちっとも追いかけられません
全然泳げません
「まだらひれ」のお腹はボグルポゴル鳴りました
お父さんもお母さんもどこに行ったか分かりません
涙がデリョデリョ出てきます
夜です
厚い真っ黒な雲をとおして
小さな星たちの声が聞こえます
「まだらひれ」は「オリオン座」の声を聴きます。
オリオン座の真ん中の3つの星の一人が
笑いながら喚びかけています
「まだらひれ」は、その声の遠さに驚きました
そして、嬉しくなりました
そして、星のとこまで、行くことにしました
ゆっくり、湖の底に沈んで
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