遠藤周作の墓前にて。/服部 剛
 
くり返し、
  三度、生命の危機に遭遇し、
  辛くもそれをのりこえて今日に至っている。
  一年間に三度、私の命を救った
  大きな力の意思がどこにあるのか、
  今はまだわからないが、与えられた使命を全うした後、
  あの世で又、先生の温顔にまみえる日が
  必ず来ると確信している。                 」* 

 遠藤先生がこの世から旅立ったのは、この三ヵ月後だったという。
私は読んでいた本から顔を上げ、再び遠藤先生の遺骨が葬られてい
る墓石をみつめ、心の中で呟いた。 

「 遠藤先生、私はあなたを心から慕います。 
  群衆の中
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