遠藤周作の墓前にて。/
服部 剛
の中で地を這う病の女が、
前を歩く憧れの人の衣服に触れようと
人々の足の間から腕を伸ばしたように。
詩と文を書くことそのものが、
私の生となりますように、
あなたの後ろ姿をみつめ、ついていきます。 」
日は傾き始めていた。最後に一礼をした私は、遠藤先生が眠る墓
石を背に霊園を出て、明日からの日々へと運ぶバスを待った。
* 高原文庫二十一号「遠藤周作の絶筆」/ 加藤宗哉 より引用。
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