続・親父の続き/虹村 凌
 
ウトローな奴になっていただろうと思う。
今はそうならなくて良かったと思う。

しかし実際の親父は、元野球部員で腹筋が12個に割れていた記録を持つ体育会系で、
どうでもいい事だがベンチで甲子園出場経験者で、
俺が中学生の頃はプロパンガスボンベを余裕で運ぶ程の体力を持ち、
俺よりゆうに15センチ以上、体重は40?以上違う相手なのだ。
格闘技経験者ならわかるだろう、この差がいかに大きいか。

「1?違えばその差は死をもたらす可能性すらある」
と極真の大山巨匠は言った(筈だ)。
40?なんてありえねぇ差だろう。勝てる喧嘩じゃねぇ。

俺は親父に反抗する事の愚かさを反抗する前に知っ
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