めかしこむジョニーとめかしこまないデップのあいだ/カンチェルスキス
ゃみをすれば当然毛先は本来あるべきところに戻る。それも目的化してる上での蛮行のようだった。そしてもう一度同じことを繰り返す。くしゃみ。鼻水。痰のからみ。龍角散。浅田飴。永シックス輔。
まるでカーテン揺れる春の午後、延々と回転を続けるハムスターのようだった。
女は新入学の中学生が履いてるような少し靴底の厚い白のシューズを履いてた。風になびく白Tシャツと同じ扱いをされてもおかしくないような白さだった。おれが少しうっとなったのは、黒ソックスを履いてるバランスの悪さだったが、なんかおれにはそれさえもね、魅力的に映った。その爪先から踵までおれの靴で汚したいなあ、とおれは思った。黒のソックスの色と同化
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