ろまん・こみっく/モーヌ。
 



裸足で しるされた やはらかい 足跡に

さらさらと 波が 水を しみこませてゆく

その消滅の a・b・c(ア・ベ・セ)たちの

静かに 弾けあがってゆく モノフォニーの

ほつれた髪に さくらめく 紅の音符の 連なりが

まばたきをした ひとりごとを こぼしてゆく





それを 口々に たどると 温和な 潮風のなか

忘れられない メロディーを 巻き込んでゆき

きみを 忘れて ぼくが 死んだって

メロディーは 流れる水から ひかがみに はねあがる

まるで ひとつの詩の 終わりが いつも 余白を のこし

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