ろまん・こみっく/モーヌ。
 
めかしながら こぼれてゆく ように





水際の 雲をうつした 砂の 水かがみの じゅうたんを

あぶなかしく 小走る みやこ鳥と 青灰に あゆもう...

はじめから 思い出に なるための

横顔が 淡く かすみのように 飽和して

誰も たどりつけない 砂礫になって 流れて にじむ





妖精みたいに 薄着した 女の子と

アリョーシャ・カラマゾフの ような のっぽの青年が

ゆきつ もどりつ して 蓄音機のうえでの ように

ゆっくりと 回転を おおきく めくる めいていった

ブランシュール... 存在... 肌や 声なんか

見えるんだ いっぱいになって

子どもの頃にしか 見られない

凪いだ海や 水平線が いま 手招きをして

呼んでいて やまないのが...














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