停滞のリズム/カンチェルスキス
 
し死ぬのを待ってるだけのような男たちが他のベンチで夕陽を眺めていた。男たちは身動き一つしなかった。まるで無を見つめてるみたいだった。公園に住み着いてる浮浪者たちのラジオが流れていた。
 日が暮れてから、近くの屋外ショッピングセンターを通り抜けた。買い物客たちがたくさんいた。立ち止まって店のディスプレイを眺めたり、カラフルな品々を手に取って、ごく自然にふるまっていた。正しいとか無理があるとかじゃなく、自分たちがふるまえるようにふるまっていた。トイレの前では女の小便を待ってる男たちがベンチに座ってタバコを吸ってた。家族連れや恋人、友達。父親と手をつないだ小さな女の子がまるでマルチーズだかヨークシャテ
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