停滞のリズム/カンチェルスキス
 
た。笑いあう客と仕事場でも部屋でも笑わないおれ。別に不思議じゃなかった。自分もそうしたいという気持ちが根底にはあったとしても、軽々と打ち消すことができた。痛みはなかった。あまりにも頻繁に繰り返せば痛みなんか麻痺する。あらゆるものに慣れていくのだ。いい、悪いもない。
 死にたい、という気持ちと人を殺したい、という気持ちが同じぐらい強かった。なぜ殺したいのか考えもしなかった。ただ殺したいと思っていた。自分の存在など無だと見定めてるくせに、その無の存在である自分に苛立ちや不快感を覚えるというおかしなサイクルに陥っていた。出口はなかった。黒い煙を巻き上げながら同じところをぐるぐる回ってるような感じだった
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