停滞のリズム/カンチェルスキス
味なかった。休憩時間になると、外の公園なんかで缶コーヒーを飲んで一人過ごした。
女はおれに見向きもしなかった。陰性のオーラが出てる者には女は近づかないものだ。ごくまれにそんなオーラが好きで寄ってくる女もいた。男の持ってる弱さだとかそういうのが目当ての女だ。おれはそれを相手に見つけた時点で拒絶した。自分の中に入ってこさせないようにした。繰り返していったら、誰も寄り付かなくなっていた。そしてたいていの女は男からするとつまらない男に集まっていった。
映画や本や音楽は相変わらずインチキで満ち溢れて、おれの生活について語ってくれるものは何一つないように思えた。その考えが揺らぐことはあっても、さらに強
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