雨通る、風溜りを越えて/霜天
さあ、消えていこう
ほんの少しの朝食を
僕と君とで分け合ってから
いつもの通りに鍵を閉めて、出かける
いなくなるという夢を見た
そう伝えると
青色の封筒を渡されて
そこだけは、確かに存在していると確認できる
いなくなって、ね
この街はもうすぐ空っぽになるらしいんだよ
明後日には、綺麗な服を着ることが出来る
また、いつもの通りに鍵を閉めていこう
夜になればお互いに誰かを待とう
膝を抱えて、とか
郵便受けには青い封筒
ただいま、とだけ書いておくから
七月を迎えて
君からの雨は、時折
強くなりすぎて
今日も電車が遅れてしまった
指先を払
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