いつもそこに在るように/松本 卓也
屋上から見える裏山の
天辺にかかった雲から
差し込んだ陽射しを眺めて
少しだけ休んでいこう
疲れきっている訳でもなく
悲しいって程じゃなくて
緩やかな風に煽られた隙間から
時どき覗いてくる眩い視線
6時限目のチャイムを待つ
青かった頃の僕も
終業時間を指折り数える
疲れきった今の僕も
どこが変わったのかな
子供の頃から僕はこうやって
手をかざして眩さを避けながら
太陽を瞳に刻んでみようとしていた
本当のところは何も変わってなくて
巡り回ったのは季節だけで
たくさんの人たちと笑い合ったり
いがみ合ったり別れたりする内に
望んでいない自分にな
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