突発即興詩会ログ(10/07/2006)/遊羽
 
生前大量に薬を投与され
濃い緑に変色したもの
様々な形の遺骨の欠片を
鏡の筒の中に入れ
蝋燭の灯り越しに回しながら覗いてみる
やけに色彩に乏しい万華鏡として
あの人の遺骨に新たな命が与えられる

生前花が好きだったあの人だから
どんな瞬間にも
白くて不思議な花が咲き
その次の瞬間には
まったく姿を変えてしまいます
まだ生きていた頃のあの人を思い出しながら
蝋燭の灯りの前で僕は
いつまでも万華鏡を回し続けます
僕が知っているあの人の生き様と
誰も知らないあの人の生き様が
複雑に交錯しては故人の歴史を
物語ってくれるようです
時折涙で滲んだ白い花越しに
あの人
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