ある気功術師の悲劇〜この気なんの気気になる気〜/千波 一也
 
ではなかったろうか

値札を
しっかり確認するようになってしまったのは
いつからだろう

豊かなくにの人々は選り好みをする



 この気、
 リボンの色がすこし嫌い

 こんなに丁寧に包み紙を施して
 いったい
 なんの気、だろうか
 注意しなければ

 恋かも知れず
 愛かも知れず
 気になる、けれど
 やすやすと見せてしまうわけにはいかない
 あこがれはたかねの花




ある気功術師は語る

この世には流れが絶対的であるが
ときは何処へと辿り着くための流れだろうか
かわは何処へと辿り着くための流れだろうか
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