お茶目なゴリラはヨーデルがお好き/千波 一也
」
と、
差し出されたのは乳白色のドリンク
「わたし、ヨーデルが好きなの。」
と、
目に映るのはびっくりドンキーという飲食店
なかなか酸味のきいたドリンクは
ヨーデルという商品名らしい
なるほど
見ちゃだめよ、と子連れの母親が通り過ぎる
(子守歌にはファルセットを是非)
家出少女と不良少年たちから まばらな拍手
(夢たちよ、アルプスの頂を見下ろすがいい)
そして
あのひとよ!と変質者を指さすような熟女の背後に
警察官の制服が見える
(ぼくよりもゴリラの方が問題ではないのだろうか)
仕方がないので逃げることにした
全速力で走り
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