余日/霜天
を、ほんの少しだけ分けてくれる
今も続けているのかどうか
もう彼女の名前は町内の地図のどこにもなかったし
あの空も、どこかになくしてしまった
繋がりが途切れていくのは
新しい手で繋いでいくためだよ
そんなことを誰かに言われた気がするけど
最近は失ってばかりで、どこにも繋げる手がない
何番目の恋、だっただろう
メモ帳に書き記す、わけにもいかず
適当な紙の裏に順番に並べて
もう一度手を振った後で、破り捨てる
この代わりに繋ぐ手はどこにあるのか
耳の奥で、少しだけ泣いた
繋がりは近く、薄いものになってきてないか
そんなことを尋ねてみると
あいつはいつも
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