余日/霜天
つもの、馬鹿にした顔で笑う
静かに電話を取り出すと、慎重にノックをする
妙に真顔になるのは一人だけではないから
皆、途切れる時間を
恐れているだけだ、という持論
誰も、繋げる手を、迷っているのかもしれない
いつも、空が欲しかった
空が入らなかったポケットには
今、何が入っているだろう
君や君を失って
久しぶりに見た夕焼けに
君たちを忘れないことで
僕はまだ繋がりたいと思っている
まだ、幸せになりたい
どのくらいの道程が残されているだろう
何度目かの呼び出しの後で
静かに言葉を選んで、吐き出す
真冬のような白い声が
いつも
いつも
僕らからは漏れ出していく
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