彼女は死んだ/たたたろろろろ
 
。陽気な凶器である。
それを少しずつ口に近づけていく。グラスの縁が、一滴の漂白剤が唇に付着して、ぴりりとした予想以上の刺激の強さに、グラスを床に落として割ってしまう。 唯はこれを大量に飲んだ? オットコマエにも一気飲みを? 考えられない。

 すごいな、と素直に思った。凄い阿保だ。思えば、もとより多少おかしな所のある娘だった。
 
 付き合っていた頃のことだが、ドンキホーテで買い物をしていて忽然と居なくなったと思ったら、ローションとバイブを万引きしてきたり、街を腕組みして歩いているとき唐突に「あーアンパンマン録画忘れたー」とか「誰かノーベル賞くれないかなー」などと大声で独り言を言ったりす
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