彼女は死んだ/たたたろろろろ
て、それでも笑っている。くそ、俺の悩み、悲しみを少しも理解せずに笑っていやがる。
「ハーイ、ぼくミッキーだよぉ」
似てない。声マネ似てないし。こんな時になんだと言うのだ。
「君はちっとも悲しんでなんかないんだよぉ。ただ責任逃れしたいだけなんだよ認めなよぉ」
何を言うか。顔など、すっかり割れて崩れてしまっているくせに、高い声を出しやがって。声が高ければミッキーに似ているとでも思っているのか。目玉の親父と一緒か。
「いろいろ理由をつけては、唯ちゃんの自殺を自分のせいじゃないって思い込もうとしてるんだよぉ認めなってぇ、結局君は唯ちゃ」って、俺はミッキーマウスを踏み潰す。
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