旅像/あやさめ
 
ース第一報のような連立……方程式は組み立てられない

 100以上の眼が不規則に動いているその海のような空間で
 全ての閉鎖された座席にxが押し当てられ埋め込まれ
 試験問題となることに異存がないこの景色
 
たまたま向こうの座席で必死にメモを取っているその姿が
興信所の親父によく似た仕草でフレームインすることから
次々と座席を沈めて寝たふりに励んでみる
とりあえず変数に任意の数を代入しながら
寝たふりに……寝てしまう
(そういえば,次の駅の到着音楽だけ民謡ではないという謎もそういえば変数としたのだろうか?)


起きた先は既に県境を越えて乗降客のいない駅を通過
先ほ
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