旅像/あやさめ
 
先ほど抱えたままの女性も犬を抱えて眠っているようで
さて変数xはといえば頭上で音を立てもせず
自分と同じように眠っている/自分と一緒に眠っている/自分と……自分と?

そのままとうとうと流れて証明はいつまでも終わらず
増えすぎた雑音(120%以上の人間密度と無形物たちの圧縮)の先に
到着した最終目的地で中身が見えたものとして
結果として先に下りた女性の抱えた変数xを代入させてみた



ところが
その変数xは小唄寿司でも笹かまぼこでもなく/岩泉ワインだっという報告なもので


ついでに書き付けられた変数y(=女性の存在)だけが/全ての空き部屋で謎として増えていくのだ
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