瞼の裏側/AKiHiCo
 
瞼を静かに開ければ見えてくる
瑠璃色の透き通る世界
頭上で渦巻くのは誰かの悲鳴なのか
脳に胸に沁み込んで
痛いのか苦しいのかな生温い風が
僕を包み込み謡う

重力などここにはなくて
足許が不安定すぎる場所で
ふら付きながら何かを求めて向かう
どこへ進んでいるのか
何を探しているのか
忘れてしまったけれど
身体は別の意思で勝手に動き出す

瑠璃色の世界は
あまりにも美しすぎて
硝子で創り上げた街が壊れる音
誰かが泣き叫ぶ
入り込まないで欲しいと訴える声
僕はどこにいるのだろう
見渡しても瑠璃色しか拡がってはいない
僕はどこかに存在している
それなのに僕
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