冬の暦/狸亭
 
年三月生れの
  ヤーとよぶ女に出会った夜
  細胞の隅々まで思い溢れる  
  早朝の散歩に眺める干潮の

  タレー。遠のいて行く波の
  後ろからあがきながらみる
  果てないアヴァンチュール
  プレーという北部の土地の

  父母をはなれて南へ、南へ
  あなたの、逞しい男の肩へ
  わたしの重い頭を託したい

  青い青いコ・サムイの海へ
  眩しそうな視線を投げ賜え    
  君の幻に一瞬だけ応えたい。
           (既出詩「ヤー」より)

 愛情は悪魔の化身だ。

 スラータニ郊外のパクナム道に沿うた新開発の建売住宅の一番小さな
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