遺書(ショート&ショート)/虹村 凌
確かに美しいとは思うが、一番美しいのは、人間の奥底に潜む、
この醜き精神や思想のマーブル模様であると私は信じている。
混じりけの無い、他人の干渉出来ない、純度100%の模様。
それが、私を死に向かわせるのである。
敢えて繰り返し云う。
私は、平凡と云う平原又は海原の真ん中にいるからこそ、
私は目の前に或る死のスイッチを押したいのだ。
幸福の絶頂に居る時に、果たして人間は死を選択出来るのか。
私は其れは不可能であると考えている。
人間は欲の深い生き物だ。幸福の中に居るとき、誰が死を選ぶのか。
絶望のどん底にいる時、多くの人は死を選択するのかも知れない。
月曜日の
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