遺書(ショート&ショート)/虹村 凌
 

起きたら虫に変身して居た訳でも無く、毛唐であったり、
広大な大宇宙で戦闘を繰り広げていたり、雪国であったり、
横で寝ていた者と魂が入れ替わったり、神のお告げを聴いたり、
此の祖国に絶望した訳でも、詩の世界の未来に絶望した訳でも無い。

私は祖国を愛し、コケにし、欧米を愛し、コケにし、
詩を書き、コケにし、生きる事を愛し、コケにし、
常に二つの感情が入り乱れているのである。

誰かが、ナイトクラブやストリップクラブは、
世界で一番綺麗な場所だと云った事があった。
酒、女、金、全ての欲望が入り乱れ、
リズムが加わり、光が其れを照らし出す。
世界で一番美しい光景だと云う。

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