【物語詩】龍の女帝〜Serve my Lord, Solitary/AKINONA
喜び
麗しき龍の女帝よ 至高の眼の女性(おみな)よ
そなたが持ちたる龍玉は 我ら余人には過ぎたるもの
それはあたかも夜空の帳の彼方 遙かなる星々
昏き闇を仰ぎ見ぬ者には 目にすることあたわぬ輝き
然り それは我ら常人の愛などという
惰弱な武器では決して陥ちぬ 魔性の砦の中に
溶かすのならば心と引き替えに
燃やすのならば命と引き替えに
だが龍の女帝よ そなたは悉く阻むであろう
薄く気怠い 美しき白亜の如き面差しで
幾千万の兵も歴戦の勇士も 手に入れること叶わぬ秘宝を
その鱗の様に冷たい 細く白い指先で弄びながら
そう そなたは阻みながらも貪婪に求め そして顔を背け続ける
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