Cats/みつべえ
嚇の唸り声をあげながら、じりじりと間合いを詰めていった。
突然、我にかえったエカテリナが何か叫んだ。それは「やめて!」だったかもしれないし、「がんばって!」だったかもしれないし、はたまた「腹へった!」だったかもしれない。いずれにしても、その声をきっかけに両者は同時に相手目がけて跳躍した。
勝負は瞬時についた。
ほこらかに立つラッタの足もとに、片耳ひきちぎられ、すっかり戦意を失ったガボが横たわっていた。ネコのものを横取りしようとするやつは、完膚なきまでに粉砕しなくては。ラッタは、とどめをさすべく身を屈めた。
ところが、今度はエカテリナがラッタを思いっきり突き飛ばした。そしてガボを庇う
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