Cats/みつべえ
作の詩の美しい響き。抑揚のある深い声。やさしく柔らかく、それでいて野放図な立ちふる舞い。やっぱり男は詩が似合うノラネコじゃなくてはダメね)
しかし、ひとつ問題があった。男女が契りを結ぶには、双方が猫文字で受け応えしなければならぬ決まりがあることだ。そうでなければ、オスネコはライバルと決闘する必要がある。どちらかをパスしなければ、晴れてニャンニャンできないのである。
それを知ってか知らずか、ガボはなかなか猫文字を唱えようとはしない。詩猫である彼にとって、猫文字などというのは唾棄すべき旧い因習にすぎない。そんな決まり文句を言うこと自体、詩猫としてのプライドがゆるさないのだ。エカテリナは、じれっ
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