誰かが君を責めていた時/若原光彦
去ろうとしていた
偽善的な連中を見限って
そこを捨てて行くことにした
憶えておくがいい
そして誰もがいつか君を忘れてしまった時
君に誰がいつ何をしたのか
きれいさっぱり忘れてみんなが盛り上がっていた時
僕はそいつらのことを忘れることに決めた
こんな奴等と過ごしていられるほど
僕の時間は長くはない
お前達などどうにでもなれ
僕には一生関係ないと思った
憶えておくがいい
さようなら君
さようならくだらない奴等
さようなら厭らしい場所
さようなら
さよなら
二度と僕に関わってくるな
ねえ君
昨日のことのように思い出す
君は罪作りな奴だった
君と居る
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)