三重らせん/霜天
せる
世界がひっくり返りそうな場所を
すり抜けていく角度を知っていて
それでも少女は彷徨う足をなくせない
離れていきそうな青い空
ひとり、というのはどんな色だろう
いっそのこと
戦いが起こればいいのに、と
誰かの宣戦布告を
きっと皆も待っているんだ
とか
深いところで抱えている言葉を
なるべく触れないようにする癖、は
いつの間に皆、手にしてしまったのだろう
静かな爆弾が空から落ちてくる
痛がることなくばらばらに離れて、そうすれば
深い安堵のため息を、誰でも抱えているはずなのに
二重に、複雑に絡み合った誰かと誰かで
わたしという
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