三重らせん/
霜天
いうもの、が存在しているらしい
そこに絡んでいく癖、を
少女も、誰も気付いていけない
小さな水晶玉から覗いた世界は
いつも透き通って歪んでいる
手を伸ばせば誰かにぶつかる
ぶつかりたがっているのは
きっとお互い、だ
そうして、少女は拒絶して
拒絶しきれずに、明日に依存する
右半分だけでも笑っていければ
そんなに悪くもないだろう
小さい夜に
らせんする少女の
走り抜けて行く誰かに、また追いかけていく
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