突発即興詩会ログ/片野晃司
こなかった。日本は段々暑くなりつづけている。折れ曲がった封筒を開いて取り出した、自分からの手紙は、「あて所に/尋ねあたりません」という赤い印章を押されて、クリーム色になっていた。どのように折っても、あの鋭くあたたかい翼には、なることもなく。
「 昨日札幌では雪が降りました。四月なのに、冬に逆戻りしたような一日でした 」
()焼石二水 [2:19:16]「薄野」(お題:あをの過程)
オレンジに透けるワーゲンを止めて
西日に透ける物思いの午後を
解けるまで放し飼う
仮縫いの境界線
二人にはそれだけの理由が有って
過程でそこへ
銀色の
たどり着いたそこで
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