突発即興詩会ログ/片野晃司
来るのだろうか
夏になる前に子が生まれるのだろうか
鳴き声は聞こえない 今日も
「 昨日札幌では雪が降りました 」
白いということは無を象徴していると一般的には信じられているが、そのことには疑問の余地がなお残っている。白の色の中に何も残っていないと信じられる者どもは幸いである。彼らはいかなる書物を裏返すこともなく、黒く残る活字の上をスーパーマリオよろしくBダッシュで跳び、飛んでいき、そんな24ビットの空から訳知り顔で曖昧な接吻を人肌の上に垂れ、垂れ、この星では我らの数え知らぬ雨だれの川になり瀑布となって山から落ちていきその下の渓谷を鋸歯状に刻んでいくことを空しく信じないばかりか、
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