午後の日ざしの庭/atsuchan69
。ただ、ふりむくとうしろに、暗い夜のしずけさがあった。
またある日の夜、階段をおりてゆくとつきあたりのかべにふたたびあのドアがあった。ドアのノブをまわすと、のどかな午後の日ざしとやさしいあのいつもの笑顔があった。
「どうしたの。こっちに来ないの?」
リツコさんがきいた。
「・・・・」ぼくは、しつもんに答えることができない。ここから一歩ふみだすのがこわいということが、うまくつたえられない。
ぼくはそのまま、じっと立ちつくしていた。
いく日もすぎ、その日のおひるねのまえに、ぼくはやっとあのふしぎなドアのことを話すことができた。リツコさんは笑い、
「こわく
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