午後の日ざしの庭/atsuchan69
き、シュロの木の葉がゆれていた。
ある日の夜、ぼくはベッドからおきた。いつも冷蔵庫にかならずあるにきまっているオレンジジュースがほしくなったからだ。ぬいぐるみをだいて階段をおりてゆくと、つきあたりのかべに見知らぬドアがあった。今までそこにドアなどなかったはずだ。
好奇心につきうごかされてドアのノブをまわすと、のどかな午後の日ざしをあびた庭にでた。麦藁帽子のリツコさんが花たちに水をあたえている。リツコさんはぼくに気づいていつものあの笑顔をみせてくれた。
「おひるね、さめたかしら?」
「・・・・」おひるね? そうじゃない、でも説明するのがむずかしくてぼくはだまってうなづいた。た
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)