詩なんてくそ食らえと思ってた僕が詩をかいてるわけ/山崎 風雅
 
僕の母が看病したが
 用事があると床を叩いて母を呼んだ
 その度に母は病床に駆けよって看病した

 亡くなったときは幼心に実感が湧かなかった
 母は安心したように端からみえた
 母の苦労も大抵だったのだと思う

 まだ若かった
 62歳だった

 おばぁちゃんの亡くなるまでの闘病生活をみて
 死に対する恐怖がふくらんでいた
 死というより病気が恐かった
 
 うちの母はエリート意識が強く
 僕にもそれなりの将来を期待していた
 僕は学校の成績はよくてよく誉められた
 中学2年の時の模擬試験では
 全国で21番になったこともあった
 
 しかし
 母が僕を
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