ディオニソスの宴 ★/atsuchan69
 
しく
花弁を いっぱいに溜めた 籠には、春の日ざし
おおらかな空気 許しとキス 自由の歌を 解き放ち、
のろいを 熔かす 秘密の ことば 口から くちへ。

野に咲く 意味もなく 忘れられた 花 咲くこともしらない
草や 無言の木々 沼の浮草 岩肌の苔 種から芽吹いた さかんな衝動、
これら 大地の精を 絶やしては いけない。
と、彼は言った。

ことばを 思いつくままに 歌い
剥きだしの 欲望 そのままに
踊る 彼につづくのは さげすまれた 愛
せむしの遊女たち うつくしく 哀れな
女装の男たち つかの間の 愛、許されぬ 愛たち
罪深き 遊女らとともに、歌い 踊り、
[次のページ]
戻る   Point(5)