アモルファス、ピンクサーモン/カンチェルスキス
テクノロジーでも昼休憩時のOLでもしみったれたラバーソウルでも絶対釣りを渡さない地下鉄の券売機でも何でもいい、阪神戦はいつも満員だろ、ピーグル犬だ。
「おっぱい、その歴史と哀愁」
タラバ蟹の足を振り払って、男はつぶやいた。
「必然性生理不順みたいな気分だよ、おれは」
温泉卵が食べたいとおれは強烈に思った。
「マイク真木とギターの調べ」と男は言うのをためらった。
「言えよ」とおれは言った。「すっきりさせちまえ」
「今晩のグラタンは、マイク真木と、ギターの調べる、ヘンドリクス」
男のねじり巻いた半袖の袖口が耐え切れなくなりつつあった。
「急いで帰るたびに、部屋が遠くのよ」おれは
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