アモルファス、ピンクサーモン/カンチェルスキス
れは言った。
おれが何かを発言するのは、生まれてから何度目だ?まったくうんざりするものがあった。この間、よくなったことなど何一つない。悪くなったことなら簡単に挙げられる。まず、キッチンの清潔さだ。まるで赤ちゃんのケツみたいにつるつるしてる。それからどうしてもカップヌードルを6分以上待ってしまうことだ。食べる頃にはゆるゆるの麺になってる。3分以内できっちり待つ、ということができなかった。
「ヘアヌード写真集で一儲けすりゃいいじゃん」
男は言う。
「誰の?」とおれ。
「あの人の」
おれは考えた。地球上に存在するすべての生命体、ということを念頭に置いた。
「あの人か。そう言えばな」
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