人情と理論と説教/長谷伸太
 
痩せていったりした。しかし実際私は手術やら入院やらをしたことも無いし、点滴も一度もうってないし、血を抜かれて検査をしたのは、生まれて血液型を調べて以来、高3の夏まで無かった。確かに非力だったが大したアレが無くとても中途ハンパな気がして、私にも人並みの力を出せる事を証明しようと、必死に自力で周りについて行こうとしたが、ただの一度も出来なかった。私の事ががいくらか可哀想に見えてしまうのも、そう見られるのがいくらか悲しいのも仕方の無い事なのだ。
 だからと言って、可哀想と言われ怒る人を、否定しているわけではない。それも仕方の無い事だ。相手を可哀想だと言って怒らせてしまった時、私はごめんなさいと誤る。可
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