殺人現場にミッキーがいた/カンチェルスキス
 
の光。昨日は寒かったが、今日も寒かった。光だけは十分にあった。
「殺人現場にミッキーがいた」と我々はつぶやいた。「ロークではなくマウス」続けて答える者もいない。言いっ放しだ。今日はいい日になりそうだという確信めいた予感は相変わらず抱けなかった。
 いつものように起き抜けにダーツをやるのだが、今日は具合がおかしかった。冷蔵庫に貼ってあるダーツ盤に振り向くと、背中がついてくるのだ。顔の下に背中がある。これはいったいどういうことだ。感じたこともない感覚だ。新感覚だ。何度向きなおしても背中がついてくる。我々もようやく次のステージに足を踏み入れることができたのかもしれない。新世代の開拓者だ我々は。しかし
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