殺人現場にミッキーがいた/カンチェルスキス
 
で顔を洗い意識をしゃんとさせる。何かの組織・集団に属す生活をしてる者にとってはごくありふれた日常のひとコマだ。仮に、それが冷たい水でなくてもいい。昨日の残りのカレーあるいはカレー粉そのもの、ヨードチンキであっても、銀行のご利用明細票をホッチキスで止めて布状にしたものであっても、タンスの奥にしまってる嫁のリオカーニバルに出場したときの孔雀みたいな衣装でもあってもいい。それは自由選択制だ。とにかく顔を洗い人は外に出てゆく。顔を洗って、部屋に戻るということはほとんどない。
 


 そして唐突に今朝のことだ。
 我々は今朝、目が覚めた。闇の中だった。体を起こすと視界に光が飛び込んできた。窓の光
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