グレート・ノベンバー おわり/長谷伸太
日の暮れるのが早くって、もう空がほんのり赤くなってきました。冷たい風がしゅーと吹いて、空をみがいているようでした。
「なあ、帰ろうよう。どうやったら帰れるの?明日はクリスマスイヴだよ。コンペイト
ウたくさん買ってくるよ。」
「あー、わたしは、ここにいて本当に幸せなのですよー・・・。ここに、地球に来るま
えは全部だめだった・・・全部ですよ・・・それが、偶然ここに来ました。・・・偶然?
運命?・・・偶然・・・」
「どっちでもいいよ、そんなこと」
日はどんどん沈んでいきます。もう少ししたら星も出てくるでしょう。ノベンバーはいよいよ動きづらそうになって、しゃべるたんびに、ぱらぱら土を降
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)