グレート・ノベンバー おわり/長谷伸太
ち行け、死ねよ」
しかしノベンバーはいたって穏やかです。
「ああ、いいんですよー」
「よくないよ、おまえ、崩れるじゃないか」
「たいしたことではないのである」
太郎君はだんだん悲しくなってきました。だいたい、ノベンバーが帰ってこなくなってからというもの、太郎君は悲しくてしかたがないのです。
「ここは、とてもいい所なのでたいへん幸せでありますよー。」
ノベンバーはやっぱり見当違いのことしか言いません。太郎君がいい返します。
「だって、でも、遊べないじゃないか。つまんないよ。」
「わたしはここに、来て、よかったですよー。太郎君に会いましたよー・・・」
冬はやっぱり日の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)